「ベトナム子ども基金通信No.34」より

1.ロンアン、ベンチェー両省に小学校を建設
2.現地紙が子ども基金の学校建設を紹介
3.10周年記念事業 黄梅基金報告
4.学校建設黄梅基金募集
5.新年のごあいさつ
6.日本研修を終えて
7.里子からの手紙
8.事務局便り


ロンアン、ベンチェー両省に小学校を建設

 ベトナム子ども基金はこのたび、学校建設黄梅基金でロンアン、ベンチェー両省にそれぞれ小学校を建設した。ロンアン省は会員の光武福見、まち子夫妻、ベンチェー省は霍田耕二郎、小形康善両氏の支援によるもの。開校式では学校代表者や在校生徒などが感謝の言葉を述べた。また、両校の建設支援は現地新聞でも紹介された。=関係記事

ドンタイン小学校(ロンアン省カンズオック郡ドンタイン村)

■ドンタイン小学校校長

レ・ヴァン・トウ

 ドンタイン(Dong Thanh)小学校は1977年、カンズオック(Can Giuoc)郡に創立、何度となく水害に見舞われながらも何とか存続してきました。3教室しかなく、校舎は激しく傷んでいました。これは、村人にとって大きな苦しみでした。
 ベトナム青葉奨学会からのご支援をいただき、困難を抱える多くの学生が勉強できるようになりました。本日は、広々として美しいこのドンタイン小学校の建設にお力添えをくださいました青葉奨学会のグエン・ドク・ホゥエ先生、ベトナム子ども基金の光武福見様、光武まち子様、元ホーチミン市人民委員会会長のヴォー・チャン・チー(Vo Tran Chi)様、村役場の皆さま、郡人民委員会の皆さまに心より感謝いたします。小学校を代表して、光武様がくださったこの学校をより良い学校にしていくことをお約束いたします。

(Le Van To)


記念プレートの前で笑顔の光武夫妻

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■ドンタイン小学校生徒代表

ダン・ティ・タイン・スーン

 立派な学校を作ってくださいました光武様、青葉奨学会の皆さまに心よりお礼を申し上げます。この学校建設のためにお力添えをくださいました多くの関係者の皆さまにも深く感謝いたします。私たちは、光武様がくださったこの小学校で一生懸命勉強に励むことをお約束します。素直で優秀な学生を目指して努力し、そして、将来はベトナム社会に貢献できる人間になるため、一生懸命頑張ります。

(Dan Thi Thanh Xuong)


新ドンタイン小学校外観

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■ドンタイン村代表

ドー・ヴァン・ファット

 ドンタイン村の人びとは、農業で生計を立てています。戦争で被害を受けたため、教育において多くの困難を抱えてきました。この村には、小学校、中学校が各1校しかありません。3教室しかない小学校では子どもたち全員が勉強をするのに十分ではありませんでした。
 そんな中、青葉奨学会が奨学金を支給してくださり、光武ご夫妻が小学校を建設してくださいました。
 この式典を通じて、私は村の皆さんに呼びかけたいことがあります。
1.すべての関係者は、この学校建設にご協力くださった皆さまの善意をふいにしないため、学校を大切に使用し、学力向上のために、努力しなければならない。
2.ドンタイン村の村人、および政権幹部は、教育事業の基盤を作るために、全力を尽くさなければならない。
 最後に、皆さまのご健康、ご幸福、ご成功を心よりお祈り申し上げます。

(Do Van Phat)


旧ドンタイン小学校内部

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ホアロイ小学校(ベンチェー省タンフー郡ホアロイ村)

■ホアロイ村代表

グエン・ヴァン・フォン

 ホアロイ(Hoa Loi)村は、ベンチェー(Ben Tre)省タンフー(Thanh Phu)郡にある貧しい村です。経済発展は遅く、村人は農業を営みながら細々と生計を立てています。戦争でこの村も大きな被害を受け、傷を負った村人がまだ大勢存在しています。この村は経済の発展が遅れています。特に、学校の数は足りず、十分な教育ができません。
 このたび、学校建設を実現していただき心より感謝いたします。ドンズー日本語学校とトゥイチェー(Tuoi Tre)新聞社の協力により、霍田耕二郎様と小形康善様、子ども基金から支援をいただき、3教室の小学校を建設していただきました。土地をご提供くださったチャン・ヴァン・ルー(Tran Van Lu)様の協力により、この1196平方メートルの土地に学校建設が実現し、2005-2006年度から授業を行うことができます。村のすべての子どもたちが学習可能な環境を整えることができ大変うれしく思います。皆さまの期待を裏切らぬよう、この学校を有効に活用し、村の大切な財産として守っていくことをお約束します。

(Nguyen Van Phong)


左から小形、霍田両氏。記念プレート前で

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■ホアロイ小学校校長

ボー・タイン・ルーン

 クイアン(Qui An)部落はホアロイ村の一部で経済発展が遅れた地域です。川が多く、移動手段は船が主流のため、交通や農業が発展しません。村人は稲作で生計を立てていますが、日雇い仕事やホーチミン(Ho Chi Minh)市に出稼ぎに行く者もいます。教育においても以前は1教室の粗末な学校があるだけでした。そんな中、ドンズー日本語学校が3教室もある立派な学校を建ててくださいました。
 この立派な学校を目の前にすると、村人の喜びもひとしおです。霍田耕二郎様と小形康善様に心よりお礼申し上げます。ご支援くださいました皆さまの期待に応えるべく、より良い学校づくりに全力を注ぐことをお約束いたします。

(Vo Thanh Luong)


新ホアロイ小学校外観

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■ホアロイ小学校生徒代表

ドー・ティ・ミー・フエン

 私たちは、皆さまから村の教育事業へ関心をいただき、さまざまなご支援をいただくことができました。
 村の子どもたちは、とても勉強が好きです。この学校から、成績の優秀な学生がたくさん出てくることと思います。それこそが、先生や両親、ご支援くださる皆さまへの一番の恩返しだと思っています。ホー・チ・ミンおじさんの教えに従い、一生懸命勉学に励むことをお約束いたします。

(Do Thi My Huynh)


■現地紙が子ども基金の学校建設を紹介

■困難な生徒たちに教室のプレゼント
 昨9月19日朝、ドンズー日本語学校(ホーチミン市)校長グエン・ドク・ホゥエ氏はドンタイン小学校(ロンアン省カンズオック郡ドンタイン村)に7教室をプレゼントした。建設工事は510平方メートルの土地に、総工費5億100万ドンを要した。これはドンズー日本語学校の青葉奨学会を通しての光武福見さん、光武まち子さん(日本)の支援によるものである。【Thanh Nien(青年)2005年9月20日付】

■地方の生徒たちに教室のプレゼント
 9月20日、ドンズー日本語学校(ホーチミン市)を通して、霍田耕二郎さんと小形康善さん(日本)はホアロイ小学校(ベンチェー省タインフー郡ホアロイ村クイアン部落)を訪れ、総工費2億2500万ドンの、広々として美しい3教室を生徒たちにプレゼントした。そのほかに2人は、129人分の学用品と10人分の奨学金も寄贈した。【Thanh Nien 2005年9月22日付】

■4人の日本人、ロンアン省とベンチェー省で小学校を建設・寄贈
 9月19日朝、ドンタイン小学校(ロンアン省カンズオック郡ドンタイン村)学校管理委員会とホーチミン市ドンズー日本語学校の青葉奨学会は新校舎の落成式を行った。学校は7教室からなり、総工費は付帯施設も含めて約5億ドンである。これは光武福見、まち子夫妻の支援によるものである。また夫妻は、貧しい生徒たちに対する奨学金「黄梅基金」40人分として、ドンタイン小学校に10年分(2005年から2015年)600万ドン/年も併せて寄付した。
 また9月20日朝、ホアロイ小学校(ベンチェー省タインフー郡ホアロイ村)学校管理委員会とホーチミン市ドンズー日本語学校の青葉奨学会は新校舎の落成式を行った。学校は3教室からなり、総工費は2億3000万ドンで、霍田耕二郎さんと小形康善さんの寄付によるものである。【Saigon Giai Phong(サイゴン解放)2005年9月21日付】


■10周年記念事業 黄梅基金報告
タントン小学校訪問と黄梅奨学生に面会

飯 田 博 康

 カーマウ(Ca Mau)市内からモータボートで南に向かいました。船が進むほどに川の両側には小さく貧しい家が見えてきました。川のそばにタントン小学校がありました。学校を見た瞬間、ここで勉強している学生がかわいそうだと感じてしまいました。学校では教員の皆さんに迎えていただきました。黄梅奨学金は昨年、7名の学生に支給され、3名は中学校に進学し、現在4名が在学しているとのことです。しかし、今年はこの4名には黄梅奨学金は支給されないとのことでした。カーマウ奨学会の話では、黄梅奨学金を待っている学生がたくさんいて同じ学生に支給し続けることができないと説明されました。
 在学している4名の学生に面会できました。学生は緊張しながらも「学校の勉強が終わったら家の手伝いをします」「大きくなったら魚や貝採りをしたい」「医者になりたい」と答えてくれました。
 学校責任者は「貧しい学生が増加している」「成績が低下していることが大きな心配」「黄梅奨学生の決定は校長が家庭を訪問し、確認して決定する」と述べました。
 短い時間でしたが、学校を見学し、教員や学生に面会できました。村全体が貧しくこの地域への黄梅奨学金支援の意義は大きいことを実感しました。

(いいだ ひろやす)

学校建設黄梅基金募集

 ベトナム子ども基金は2006年、学校建設黄梅基金を募集します。農村や漁村の子どもたちに学校を寄贈します。皆様のご協力をお願い致します。学校建設のお問い合わせは、事務局までご連絡ください。

 1.学校規模 小学校6教室と職員室
 2.付帯設備 水道、トイレ、校門
 3.建設予算 350万円から400万円
 4.建設日程 2006年2月候補地決定、3月建設契約、5月工事着工、8月竣工・引き渡し後開校式


■新年のごあいさつ

グエン・ドク・ホゥエ

 ベトナム青葉奨学会を代表いたしまして、ベトナム子ども基金の皆さまに新年のごあいさつをさせていただきます。
 この場をお借りいたしまして、ベトナムの学生、父母、皆さまにご支援いただいておりますすべてのベトナム人からの皆さまに対する心からの感謝の気持ちを述べさせていただきます。青葉奨学金だけでなく、黄梅奨学金や学校建設など、ベトナム子ども基金の皆さまからは、多大なご支援をいただいております。また、奨学金支給活動により、多くの子どもたちが学習の環境を整え、勉強し、村の子どもたちの学力を向上させることができます。このことは、ベトナムにとって有益な人材を育成することにつながります。私たちは、皆さまのご恩を一生忘れることはありません。
 2006年度、私は、ベトナム青葉奨学会の代表として、我々の活動をより良いものにし、欠点を克服していくことをお約束いたします。また、里親様の奨学金に込められたお気持ちを学生たちに十分に伝えるよう努力いたします。そして、子どもたちを理想的な学生に導き、親孝行で友達や周囲の人々を大切にし、ベトナムと社会と人類に貢献することのできる人材に育てていきたいと考えております。皆さまが建設くださいました地方の学校には、これからも長期にわたり学校を存続させるため、皆さまからいただいた学校を大切に守っていくように指導いたします。また、里親様が各地の学生と会えるように、積極的に交流会を開催するよう努めてまいります。皆さまの期待を裏切ることのないように、私たちは、これからも努力していく所存です。
 戌年である2006年が、皆さまにとって、平和で幸福に満ちたものになるよう、私たちは頑張りたいと思います。皆さまのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

(ベトナム青葉奨学会代表・Nguyen Duc Hoe)


ホゥエ氏(中央)と青葉奨学会スタッフ。ドンズー日本語学校校長室で(2006年1月3日)


■日本研修を終えて

グエン・ティ・ミー・リエン

 皆さまのご支援のおかげで無事日本研修が終わりました。本当にありがとうございました。私は10月3日朝、成田空港に着きました。到着ロビーでお父さん(編注:飯田博康氏)に会えて安心しました。お父さんの家でホームステイが始まりました。
 10月4日の入学式と日本語レベルチェックの後、大原日本語学校での授業が始まりました。授業は毎日午前9時から12時10分までで、科目は文法、読解、聴解、表現、発話を勉強しました。午後は近くの図書館で復習と予習をしました。おかげさまで日本語の基礎が理解できました。特に単語の暗記だけでなく、場合に合った単語の使い方ができるようになりました。12月4日には日本語能力試験を受験しました。大原日本語学校ではスポーツフェスティバルやハイキングもしました。大変楽しかったです。帰国してからも日本語の勉強を続けたいと考えています。
 ベトナム子ども基金で会員交流会と運営委員会に出席しました。交流会では私の自己紹介と日本研修の目的について話しました。会員皆さまのご質問にもお答えいたしました。少し緊張しました。10月の運営委員会は伊豆高原で皆さまと楽しくお話ができました。ベトナム料理を作り皆さんに食べていただきました。12月の運営委員会は具体的な会議の内容に大変興味を持ちました。青葉奨学会支援のために皆さんが真剣に議論している様子に感激しました。
 交流会は、北陸ベトナム友好協会(金沢市)と青葉奨学会沖縄委員会(那覇市)でも行われました。皆さまが大変親切に歓迎してくださいました。
 ホームステイでは日本の生活が体験でき ました。日本料理はおいしかったです。特にお母さん(編注:飯田氏妻)が作ってくれたカキフライは大変おいしかったです。お父さんと一緒に東京のほかに、群馬県や横浜や土浦にも行くことができました。
 また、お父さんからいろいろ教えていただきました。お父さんとご家族の皆さまのおかげで3カ月安心して勉強できました。心から感謝しております。毎朝、満員電車に乗って学校に行きました。満員電車は困りましたけれども、暖かくて良かったです。
 私は日本の紅葉が大好きでした。金沢では雪を見て、感激しました。各団体の皆さまはお忙しい中、大歓迎で私を愛してくださいました。また、皆さまは、ベトナムの子どもの将来のため一生懸命ご支援をしてくださいます。私は大変感激しました。
 ホゥエ先生とレ・ティ・ホン・リエン(Le Thi Hong Lien)さんのおかげで日本を体験できました。ありがとうございました。
 私にとって、青葉の仕事は全く新しいことですから大変ですが、皆さまとホゥエ先生、ベトナムの子どもたちの期待に応えるため頑張ります。皆さまとベトナムでお会いできることを楽しみに待っています。
 最後になりましたが、子ども基金、北陸友好協会、沖縄委員会の皆さまに大変お世話になりました。ありがとうございました。皆さまの幸せをお祈り申し上げます。

(ベトナム青葉奨学会・Nguyen Thi My Lien)


■里子からの手紙

自立への第一歩

ブイ・ミン・ズン

 新学期の初めにあたり、里親様に成績の結果を報告します。それと私の胸の内にお知らせしたいことがあります。
 私はホーチミン(Ho Chi Minh)市工科大学2年生です。故郷は北部のナムディン(Nam Dinh)省です。HCM市に来て、初めの年は、食事代など生活のことをいろいろ心配しました。私の家族はどうやってやりくりして、私を大学に行かせてくれるかと心配していました。
 幸い、私には親切で思いやりのある里親様がいて、大学生になっても青葉の支援を引き続き受けることができました。それに工科大の奨学金もあります。学費も半分免除されています。そうして自分の頑張りで大学の1年間を無事に過ごすことができました。しかし、残念なことは、私の成績は良くありません。平均点は6.0です。本当にがっかりです。
 実はこの2、3カ月ずっと考えていることがあります。私の家族は今も貧乏ですが、母は51歳で仕事をしており、私も自分のことは自分でできるようになりました。現在アルバイトでお金を稼ぐことができます。収入は多くありませんが、いくらか学費を賄うことができます。そこで、来年の奨学金を辞退したいと思います。その分をナムディン省の他の学生に譲りたいと思います。
 私の故郷ナムディン省は、貧乏です。学校へ行けない子どもたちがまだたくさんいます。私は中学1年生から8年間、里親様に支援していただきました。私の姉も学校に行くことができました。3番目の姉は師範短大を卒業し、カオバン(Cao Bang)省で安定した仕事に就くことができ、私の学費を助けてくれます。私の家族は里親様に本当に感謝しています。家族に代わり、里親様に心から深く感謝します。
 これは、私の心の底にある考えです。奨学金をもらわなくても、青葉奨学会のことは、いつも心の中に残るでしょう。最後に、8年間の支援、本当にありがとうございます。里親様と、青葉奨学会の皆さまにお礼を申し上げます。

(Bui Minh Dung)

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夢は教師

チャン・トゥ・ヒエン

 私は高校11年物理コースの学生です。2005年、私は幸運にも里親様から青葉奨学会の奨学金をいただくことができました。この数年間、青葉から奨学生に選ばれていました。私のような貧しい学生にとって、とても大きな幸運です。里親様と奨学会のお気持ち、励ましは、心に抱いていた希望や夢をかなえるための、物質面だけでなく、精神面でもとても大きな力です。生活は貧しいですが、私はいつも幸せだと感じています。家族や学校の先生だけでなく、里親様や奨学会の先生の深いお気持ちをいただいているからです。
 私には夢があります。それは教師になることです。教師というのは職業の中でも最も素晴らしいものだと思います。国の将来を担う世代である学生たちが、社会に役立つ人になるよう科学知識を教えるために、自分の持つ知識、力、心血を注いで取り組むことができる仕事です。それだけでなく、私がこの仕事が好きなのは、熱心な先生のいる学校で勉強しているからです。
 その先生は現在、副責任者であるだけでなく、私たちに専門(物理)を教えてくれています。1本のチョークと教案を携え、豊富で深い知識、情熱を持って、毎日熱心に私たちを教え、指導してくださる先生の姿に、私は感動しています。その上、先生はいつも私を励まし、助けてくださいます。ですから、教師になりたいという私の夢は、日に日に強く、確かなものになっていきます。私は先生を2番目のお父さんのように思っています。
 私の家族は生活がとても苦しいです。父は重病にかかっています。胃かいようと肝硬変です。2つの病気に続けてかかったため、父の体はとても衰弱しました。仕事をすることができなくなったため、辞職しなければなりませんでした。ですから、両親とも退職し、わずかな年金があるだけです。母もいつも体の調子が悪いです。本当のところ、年金だけでは、私たちは日々食べていくのにも、父の薬を買うのにも、私たち兄弟が学校へ通うのにも、非常に困難です。
 青葉からいただいた奨学金は非常に有意義でした。奨学金のおかげで学費を払い、本や文具、参考書も買うことができました。勉強の条件を良くするため、新しい成果を上げるため、将来の夢を実現させるため、2006年も続けてご援助をいただけますよう、心からお願い申し上げます。

(Tran Thu Hien)

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■母の病気を治すために

グエン・ヴァン・ヒエウ

 今日夏期講習から帰ってきたら、突然里親様のことを思い出しました。私は慌てて筆を取り白い紙にお母様のご様子をお伺いする手紙を書いています。
 手紙の始めに、私の新しい学年の始まりでもありますが、ご両親様並びに里親様、そしてそちらにいらっしゃる皆さま方のご健康とご多幸、お仕事のご成功を謹んでお慶び申し上げます。
 里親様、そちらでは暑さが続いていると思いますが、猛暑で里親様やご家族様は何か悪い影響がありませんでしたでしょうか。私の方はとても暑いですが全く影響はありません。里親様、それでは簡単に私の家族の健康状態と私の兄弟の勉強の様子を里親様にお話しますね。私の父と兄弟の健康状態ですが、変わりなく元気です。私の兄弟の勉強も昨年より進歩しました。今年私は8年生になり、弟は5年生になりました。そして私の母の健康状態ですが、昨年より元気になりました。家の片付け、洗濯、兄弟の食事の用意はできるようになりました。暑いときやとても寒いときだけは駄目です。
 里親様が私に毎月学費をご援助してくださるようになって以来、今までの真っ暗闇の空間から明るい未来の空へ歩んでいくことができる幸運な日々を過ごせるようになりました。本当に里親様が果てない光の源を私にもたらしてくださいました。
 一番困っていたころは、自分の人生で一番重要な分かれ道で自分がすべてを失ってしまいおかしな道へどんどん進まざるを得ないのではないかとばかり考えていました。ところが里親様が私の元へ現れてくださり、温かくてしっかりした両手を広く差し伸べて私を迎えてくださり、里親様のお心は私の心を温めてくださいました。その神聖なときから私は自分の人生が完全に変わったのだと分かりました。私は再び夢を見ることができ、将来あらゆる人の病気を治すためにお医者さんになろうという夢を見る権利を持ちました。私の願いは私の母の病気を治すことです。
 私の心の中にチャンスを目覚めさせ、自信を取り戻させ、日ごとにそれが大きくなるようにと、私の心に希望の灯をともしてくださった、愛する里親様に感謝申し上げます。
 里親様は私があらゆる限りの力で学業の道を続けていけるようにしてくださいました。ご援助を通して常に私の前進を見守ってくださる先生方と里親様を裏切らないよう、勉強の結果をもたらせるよう奮闘しなくてはと自分に言い聞かせています。里親様のご援助によって家族の負担が軽減されましたし、またそれ以上に、以前は経済的理由で持つことができなかった学用品や本・ノートなどさまざまなものを手に入れ私が安心して勉強できるようになりました。私は里親様が私に下さいました数々の期待やご信頼、真心を深く感じています。将来私たちがあらゆる困難を乗り越え社会や皆のためにできる限りの力を尽くして貢献できるよう、もっと良い成績を取り成長する努力をしていきます。
 それではここで筆を置かせていただきます。次のお手紙ではもっとたくさん書きます。手紙の最後に里親様に心から感謝します。里親様の息子はいつも里親様のお手紙を待っています。

(Nguyen Van Hieu)

■これらの手紙はいずれも、2005年8月から9月にかけて書かれたものです。(編集部)

第4回スタディツアー開催のお知らせ

「2006年青葉奨学生遠足」に合わせた第4回スタディツアーを下記のとおり計画いたします。会員ならびにご友人の皆さまのご参加をお願いいたします。

1.期 間 6月15日(木)から6月22日(木)の8日間
2.訪問先 ハノイ市(北部)、ダナン市(中部)、ホーチミン市(南部)
  期間および訪問先は、参加者のご都合に合わせてご自由に変えることができます。
3.奨学生との交流会予定
   ハノイ交流会 6月15日(木)18時から19時
   ダナン交流会 6月17日(土)16時から18時
   ホーチミン市交流会 6月19日(月)16時から18時
4.参加費概算(8日間コースの場合)12万円
        航空券     8.5万円
        宿泊(2人部屋) 2万円
        交流会参加費  1.5万円
        その他     実費

以 上 


■事務局便り

 ベトナム子ども基金は2005年6月、創立10周年を迎えました。皆さまのご支援によりこの10年間、ベトナム青葉奨学会の期待に十分応えることができました。ありがとうございました。
 2005年は、ロンアンとベンチェー両省に小学校を建設しました。両校の開校式に出席された皆さまの喜ぶ姿を見て、学校建設の意義の大きさを改めて実感いたしました。今後も会員皆さまのご支援でベトナムの子どもたちに学校を寄贈できますことを希望します。
 青葉奨学会のグエン・ティ・ミー・リエンは、10月3日から約3カ月間の日本での研修を終えて無事帰国いたしました。皆さまのご協力に感謝申し上げます。青葉奨学会が新しい体制でますます活躍することを期待しています。
 2006年は青葉奨学生400名、黄梅奨学生500名以上の支援を予定しています。会員皆さまの温かいご支援を改めてお願いいたします。(飯田)

2006年定例会員総会

 2006年定例会員総会は次のとおりです。会員皆さまのご出席をお願いいたします。
日時 2006年5月20日(土)14〜16時
場所 アジア文化会館教室


【編集後記】この年末年始はベトナムで過ごし、10年来の友人に再会。ベトナムの魅力はそこに住む人びとだと再認識した旅でした。この旅でもらった元気を糧に今年1年も通信の編集を頑張ります。(望月)


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